そして 君は 恋に落ちた。


「やーん! エリってばずるいっ」

もう一人の女の子が藤井さんの服を掴み叫ぶ。
それを皮切りに、一名を除く三人で騒ぎ始めた。

そんな空気の中、固まる奴が一名。



「やっぱり少し熱いかな?
 少し外の空気吸いに行こうか」


席を立ち戸惑う藤井さんの手を掴む。

瞬間―――

「おい…っ」


慌てて立ち上がる奴の声。


俺は笑顔を貼り付け

「心配いらないよ。ちゃんと一緒にいるから」

言って、ヤツを見る。


真顔で俺を見るコイツは……本当、黙ってると男前なのに。


彼女の手を引き出口に向かうまで、その視線を感じていた。






「なんか、ごめんね?」


えへっと乾いた笑いを見せる藤井さん。


悪いのは、君じゃない。
子供じみた表現しかできないアイツなのに。


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