そして 君は 恋に落ちた。




「ま、松田君!
 どこに行くの…!」



食堂で先輩を見つけいつものように食事をした。けど、その後無言で先輩の手を引くと、エレベーターに乗り込み7階へ。
それに気付いた先輩が流石に慌て始めた。

でも質問には答えず、そのまま小会議室のドアを開け、引き気味の先輩の手を思い切り中に引き入れた。



「…っ」


怯えた表情で見上げる先輩を、壁に押しつける。



「そんなに怖がらないで下さい」


笑って言ったつもりだけど。先輩の瞳を見る限り、明らかに恐怖の色が映っていた。



「……松田君ここは会社よ、こんな事する場所じゃないわ。

 早く戻るわよ」


口調はいつものような感じだけど、その目は揺らいでる。


「まだ時間ありますよ?」

「そういう事じゃなくて…っ」


恐怖を感じながらも睨みつけるように俺を見た先輩に、自然に口角が上がった。



「……そうですね。ここは、会社ですね」



< 266 / 378 >

この作品をシェア

pagetop