そして 君は 恋に落ちた。
「……くっ」
堪えきれず、エレベーターのボタンを押しながら、ズルズルしゃがみこむ。
―――最悪な誕生日。
こんな誕生日を迎えるために、私は1ヶ月何をしてたの…?
初めて好きになった人は、別の人のモノで。
私なんか、まるで眼中無かったんだ。
なのに。
私に触れる彼の手は、優しくて。
私を激しく求める時の彼は、いつも必死で。
私を想ってくれてるんじゃないかと。
私と、同じ想いでいてくれてるんじゃないかと、勘違いを……した。
ハラハラ涙が溢れ出す中、エレベーターが一階につき扉を開けた。
私は呼吸を整えながら、ゆっくり立ち上がる。
もう、ここに来ることはない。
二度と……
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