そして 君は 恋に落ちた。
「瀬川さん先輩の家に泊まったりするんですね」
彼の言葉に思わず目を向けてしまった。
「本当に―――仲がいいですね」
ニッコリ笑いいつの間にか食べ終わったのか、彼はトレイを持ち席を立った。
「お先に失礼します」そう、一言そえて。
……何故か胸がモヤモヤするけど、何故なのかは分からない。
ただ一つ分かることは、彼は笑顔だったけど目が笑っていなかったことだけ。
「瀬川さん泊めるとかなんなの?あのお局」
「体でつなぎ止めるとかみっともない」
「見た目変えたって地味子は変わんないのにね」
そんな陰口も聞こえないくらい、立ち去る松田君の後ろ姿をジッと見つめていた。
彼の、ほっそりしながらも適度についてる筋肉とか。
私の上で汗ばむ彼とか。
『先輩』と呼ぶ掠れた声、とか――――
全て、私しか知らない彼なんだと気づいたら……真っ直ぐ彼を見れなくなっていた。
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