そして 君は 恋に落ちた。




「で? 実際誰なんだよ、相手は」



当たり前のようにジャケットをソファーにかけ、床にあぐらをかいて座る男――瀬川 学 29歳独身。


「ほら、早く座れよ」


隣のクッションをバシバシ叩くこの男を殴っても………神様に許される気がする。



「……どうでもいいけど、うちに来てることは言わないでよ。
 今度言ったら二度と家にあげないから」


「はいはい。悪かったって!

 そういえば、小林が飲みに行こうって言ってたぞ」


クイッとロックグラスを口に運ぶ瀬川君は、多分、色男なんだと思う。



「小林君この間エレベーターで会ったんだよね」


「ああ、そういえば言ってたな。
 アイツ男出来たのかって騒いでたわ」


「……絶対行かない。根掘り葉掘り聞かれるのが想像出来ちゃう」


「ははっ 小林と俺二人揃って飲みに行くなんてすげーレアだぞ」


「そんなのどーでもいいの!
 小林君見た目あんなに可愛らしい顔してて中身悪魔だからね!絶対イヤ!」



……小悪魔なんて可愛らしいもんじゃないんだからっ

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