潔癖症の彼は、キスができるのですか？

あっさりと目を閉じてくれた大窪くんの肩にそっと、手をのせる。うわ～まつげ長い 。初めて間近で、じっくりと見る大窪くんの目を閉じた顔に、また心臓が早く動き出す。


えっと、このあとは顔を近づけて。

肩に置いた手を頬に当てる。


少しピクリと体が動いた大窪くん。きっと、私が次にどんな行動をとるか分からないからドキドキしてるんだ。そう思うと、少し肩の力が抜けた。緊張しているのは、私だけじゃないんだよね……。


顔をゆっくりと近づけて、前髪が触れた時、顔を少し傾ける。



――チュッ。



触れた唇を見ても、当たり前だけど色は落ちてなくて。生まれて初めて自分からしたキスは桃の香りがした。