潔癖症の彼は、キスができるのですか?
「終わり? 目、もう開けていい?」
「ま、まだだよ‼」
まだ、もう少しだけ。きちんとしたキスでとってあげたくて。下唇を挟んでから、ペロッと舌でなめた。
「えっ……ちょっ……」
なめた瞬間、大窪くんが目を開けて、私の肩を掴んで、焦った表情で口を開いた。
「それ、反則でしょ」
「どうして?」
「どうしてって……」
珍しく顔を赤くさせて、口元を手で覆っている。あ、もしかして……。
「ごめん。なめられるのイヤだった? 夏樹に舌を入れられた時も、かなりエズいてたし!」
「あのさ」
「え?」
グイッと背中に腕をまわされて、額同士をコツンと当てられた。