ライオンさんのペット
今日から春休みだけれど、特段することもなく…
倒れこんだベッドから高い天井を見つめて、これからどうしようかと考える。






試験勉強をするという選択肢もあるけれど、和雅さんといる間頭をフル回転させていたから今は勉強する気になれない…

そう言えば、昨日お屋敷の中を案内してもらった時に図書室みたいな部屋があったな~

いつでも使って良いって言ってたし、夕食までそこで時間潰そう。





私は早速ベッドから起き上がり部屋を出た。














その部屋は同じ階にあって、小さい窓と暖炉意外の壁は殆ど本で埋め尽くされていた。



一歩部屋に入れば、本どくどくの香りが鼻をくすぐる。



私の部屋よりは小さいけれど、こっちの方が凄く落ち着く。



ざっと見渡しただけでも、経済書から小説まで色んな本があって学校の図書館並みに種類が多い。



その中から昨年ベストセラーになったミステリー小説を手に取り、暖炉の前にある一人掛けのアンティークソファーに座った。



一人掛けと言っても幅に結構な余裕があって、小さい子供なら二人は座れるだろう。



早速分厚い本の1ページ目をめくる。



また1ぺージ、1ページと読み進めていくけれど、内容が全く頭に入ってこなかった。



きっと内容のせいだ。



あらすじはこうだ。



小さな町で小さいながらも有名なレストランを営んでいた老夫婦が突然消えた。



その二人の行方を高校卒業を間近に控えた姪が探すという話なのだが…





「お父さん…、お母さん…」





私は二人がどこにいるか知ってる。



二人が無事でいることだけで十分だ。











だけど…













寂しい…











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