止まない雨はない
そんなことをしていると、ドアをノックする音が聞こえた。


「ゆう…いるか?」


この声は兄の声だ。

こんな顔を見せるわけにはいかない。

絶対に心配させる、兄に追及されたら、私は話してしまうだろう…
でも、恭哉さんは何も悪くない。

ただ、友人として私を誘ってくれただけなのだから…

それでも、兄は恭哉さんに怒りの矛先を向けるだろう…



どうすればいいのだろう…

恭哉さんに迷惑をかけるわけにはいかないし…
考えても、答えは出ないし。



「ゆうちゃん…わたし。
 ちょっと話したいことがあって…」



今度はかおりちゃんの声が聞こえた…

私は、天の助けだと思った。
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