止まない雨はない
――――ゆうは中学の時に初めて付き合った男がいた。

 相手は母親しかいない家庭だったが、まじめな男だった。

 ある日、いつものようにデートだと言って、ゆうは出て言った。

 夜になって、男の母親から電話がかかってきた。

 泣きながら、申し訳ないと…

 俺は急いでそいつの家に行った。

 そこで見たのは…

そこで見たのは、ベットに横たわって意識を失っているゆうの姿だった。

布団が掛けられていて、それをめくるとブラウスのボタンは飛んでいて、

手首は赤くなっていた。


母親に状況を聞くと、

夜忘れ物をした母親が取りに戻ったところ部屋から悲鳴が聞こえたそうだ。ゆうのな…

焦って飛び込んでみると自分の息子がゆうの上に馬乗りになって襲っているところだったそうだ。

あわてて間に入ろうとしたところ、ゆうの意識が飛んだ。

限界だったんだろうな…


そして、とるものとらずに家に電話してきたってわけだ。


ゆうはすぐに自宅に連れ戻した。

自宅に帰る途中、病院に寄った。さっきの病院だ。


一通り検査をした。

だが、ゆうが言うような事実はなかった。

相手の母親が間に入ったこことで、事なきを得ていたんだ。


外傷が少しあったが、その…お前は汚れてなどいない――――

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