止まない雨はない
「ねえ…どうしたの?
 浮かない顔して…何か悩み事?」


「まあ…たいしたことはない。」


「そっ。
 まあ、女に刺されないようにしなさいよね。
 弁護士が女に刺されたなんて、いい新聞ネタにされるわよ」


「相変わらずな減らず口だな。
 浩介もこんなののどこがいいんだか…
 しゃべらなけりゃ、いい女に見えるのにな」


「大きなお世話よ。
 こんな私を姉のように慕ってくれる子だっているのよ。
 本当に可愛い子なの。
 まあ、いろいろある子なんだけどね。」


「お前が女をほめるなんて、明日は雪が降るのか?」


俺たちは昔と変わらずの会話を楽しんだ。

そんな時、かおりの携帯が鳴った。


メールのようだったが、それを見たときかおりは嬉しそうに微笑んでいた。
本当に、口を開かなければいいのにと思ってみていた。
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