止まない雨はない
『あっあの…これ…』


「ありがたいんだけど受け取れないよ。ごめんね。」


『いっいや…そうじゃなくて、笠原浩介の荷物です。』


「かさはらこうすけ…えっ。浩介の荷物って、
 君誰?どうして浩介の荷物なんて届けに来てんの?」


この人は、きちんと話を聞かない人なんだと思った。
・・・
はぁー…ため息だって出ちゃうよ…


「あれ??ゆうちゃん?」


声のするほうを見るとかおりちゃんが…
天の助けだと思った…


『かおりちゃーん。助けてぇー・・・』


「ちょっ…ちょっとあんた何したのよ。」


「おっ俺何もしてねえよ。
 浩介の荷物持ってきたっていうから、どういう関係かと思って…」


「馬鹿だね…ちゃんとこの子の名前聞いたの?」


「・・・・・」


『かおりちゃん…大丈夫。あっあの…これ兄の荷物なんですけど…』


「あっ兄?????あいつにこんなに可愛い妹がいたなんて聞いてねぇーよ。」
< 32 / 197 >

この作品をシェア

pagetop