止まない雨はない
お昼を少し前にして、先輩から声をかけられた。


「ユリちゃん…ユリちゃん…」

『あっ。はい。』

「相変わらずね。そんなユリちゃんもかわいいけど。
 あのね、悪いんだけど、A会議室にお茶2つ頼めるかな。
 私これから会議が入っちゃって…」



先輩は本当に申し訳なさそうに顔の前で手を合わせていた。
仕事のなのだから当たり前の指示なのに…



『もちろん、構いませんよ。』



私はそういうと給湯室に向かいお茶を入れ、指定された会議室に入って行った。

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