止まない雨はない
残業帰りで少し遅くなって会社を後にした。


空は星空でとってもきれいな空だ。


そんなことを思いながら歩いていると、「笠原さん?」と声をかけられた。
振り返ると、そこには望月さんがスーツを着て立っていた。


『あっ…なんで名前を・・』


「この前、名刺くれたでしょ。
 笠原 ゆりさん」


名刺を渡したこともすっかり忘れていた。


『そうですね。失礼しました。
 今日は何かご用でしょうか?
 武田先生はこちらにはおこしになっていらっしゃいませんが…』


私は仕事をして話を続けた。
そうしなければ、私は話すこともできなさそうな気がしたから。
< 67 / 197 >

この作品をシェア

pagetop