止まない雨はない
彼女との食事を終えて、俺は一人飲みにやってきた。


さっきは、彼女の事もあるから飲むのを控えていた。
何だか少し飲みたい気分だった。
何なんだろう…


彼女の持っている独特の間合いというか…雰囲気が俺をリラックスさせてくれた。
初めて普通に話した相手に少ししゃべりすぎた。


俺の家の事まで話したのは初めてだ、
でも、親父たちの事を言って目の色が変わらなかった女を初めてみた。
たいていの女は親父たちの会社の名前を聞くと目の色が変わる。
俺の弁護士という職種と親父の会社。


バックグランドに目がいく女がほとんどなのに…彼女は何も変わらなかった。


彼女の瞳が揺れたのを見たのは…お袋が他界していると話した時だ。
本当に申し訳なさそうに…すぐに目を伏せた。

かわいい子だ。
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