止まない雨はない
「ねえ。浩介ほしいなら本人に言ってあげてよ。
 意外と喜ぶかもよ。
 なぁーんてね。・・・・・で?何かあったでしょ。」


やっぱりか…


「別に…」


まだ、人に話せるような状態じゃない…
俺自身が分からないのだから。


「まぁ、いいけど。
 でも、恭哉も前に進めるといいね」


そう言ってかおりは目の前に置かれグラスに口をつけた。
前に進むか…俺は進むことができるのか?
彼女のように…
そういえば彼女もそんなことを言っていたな。



「なぁ…お前には縁がない話を聞いてもいいか?」



「何よ。縁がないって…フリフリピンクのワンピースの話とか?」



「まあ、それに近い話だな。
 男が苦手っていうか、怖いって思う事ってあるのか?」
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