マーブル色の太陽
「お前……まだ、完全じゃないな?」
完全。
一度、『声』と合瀬が話した時に出た言葉だ。
何を意味するのだろうか。
人間として完全ではない。
それは誰だってそうなのではないだろうか。
ましてや、僕らは高校生。
ほとんどのヤツが不完全なのはあたりまえなのではないだろうか。
「やっぱあれかな? 一度、死にかけないとダメなのかな?」
合瀬の口が薄く薄く引き延ばされる。
その冷たい笑顔を顔に張り付かせながら、ゆっくりと血と肉と脂のついた棒を振り上げる。
僕は座ったままの姿勢で後ずさりする。
合瀬は、ゆっくりと僕に近づいてきた。