年下

最近、学校に行きたいという気持ちが強くなった。

それは涼介に会いたいから、実際のところ涼介って呼んでなくて名字で呼んでる。

涼介がいないときに涼介呼びをしてる。

会ったときに、「涼介って呼んでいい?」って聞こうとは考えてるけれど、全然言いだせない

音楽の授業で3階に上がった時会えないかな、と探してた。

音楽が終わって、3階の中央階段に向かう途中で、トイレから出てきた涼介に遭遇。

涼介は一度振り返ったその時に、手を振ったら、いつもなら見えるか見えないくらいの振り方なのに、今日はちゃんと手を振ってくれた。

ほかの女子とどう接してるかわからないから、ひとりで涼介は私に優しくしてくれると思って期待してしまう。

でも、ときどき彼女いるのかな?と考えて勝手にヘコんでる。

ある日私にとって大事件が起きた。

涼香が弟たちに涼介の誕生日を聞くためにりなが涼介を好きだと言ってしまった...

おわりや...終わった。

その日、確実に終わったと思う出来事が起きた。

お昼、お弁当を取りに1階にいったら涼介がおった。

目が合った。.....涼介の様子がいつもと違う。

いつもならガン見してくる涼介が、2秒たりとも目を合わさず逸らした。

やっぱり...。心の中で少し分かってたんだ。でも、想像してたより悲しくて、辛くて

昼休みとうとう目に溜まってた涙がぼろぼろ流れてきたんだ。

その涙を止めようと必死にポロシャツで拭って笑顔を作った。

ギコチナイ笑顔。



その日の帰り道。

私が涼香に言った言葉。

「前みたいに謝罪のメールなんていらんから、誤って済むコトちゃうやろ」

前も梨菜が涼香に怒ったとき、涼香は謝罪のメールを送ってきてた。

自分でもキツイな、って思ったけどそうでもしないと涙が出そうだったから....

その翌日ぐらいに朋花と風花に聞いたのは、涼香がバイバイした後泣いてたってコト。

その時不意にも、あっそ、と思ってしまった自分が嫌になった。

家に帰ってからもずっと泣いてた。

少し前に友達に言われたことを思い出した。

「梨菜って好きな人出来るとその人コトばっかで性格悪くなるよなw」

その意味が少し分かった気がした。

でも、分かったのはほんの少しだけ後の自分は開き直っていた。

自分でも性格悪っ!!って思った。

きっと、自分の事でいっぱいなんだろうなぁーと思いながら鏡に映る涙でぶさいくになった自分の無様な姿を見て、自分で自分をあざ笑った。

(そんなんだから、イイ恋できねぇーんだよ)

鏡の中の私はそう言っていた。

< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

あほ、そうゆうとこが好きやねん
梨望/著

総文字数/606

恋愛(学園)1ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
俺様系の山田流星は学年トップのイケメン。 そんな人とは真逆の超平凡女、安田莉奈に恋をする。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop