ウシロスガタ 【完】
“男と女の騙し合いのようなキャバクラにハマル男の気持ちなんてわかんねぇ~!!”


そう確かに俺は、



何日か前のキャバクラ特集のテレビに向かって、そう呟いていたはずなのに……




冷夏の瞳を見てると、俺もあのテレビの中の世界のお客サンと同じだ。




違う、でも冷夏だからかもしれない




「…ったく、さとは女と話せないから連れて来たのにこれじゃ…俺より楽しんでんじゃねぇ~か!」




「先輩酔ってますね?」




「うるっせぇ~!さとが飲みが足らねぇんだよ!」



“いや、普段飲まない酒を飲んで今日は、結構きてるよ”



そう思いながらグラスの中の焼酎を飲み干した。



俺は酔ったせいか、
さっきの緊張もほぐれ…


冷夏との楽しい時間を過ごした。




「冷夏は彼氏いるの?」



「いないよ!!」



「嘘付けぇ~!いないはずがねぇよ~!」



「彼氏はいないよぉ~。」


「本当…!?」



「うん、さとクンは??」



「だいぶ…いねぇ~!!」



「そうなんだぁ…!」



「気の合う子がいなくてねまぁ…女はいらないってのもあるかな…。」



「分かる気がする…傷付くの恐いからね。」




「あ、うん…。」




“傷付くのが恐いからね”


そう笑顔でハッキリ言った冷夏の冷めた目を



俺は見逃さなかった…。



「俺…O型の子が好きでねあまり出会わないんだけどさ…。冷夏は血液型とか気にする?」




「全てが…って訳じゃないけど、やっぱり合うのはA型の男の人かな~」




「何型?」
「何型なの?」




同時に揃った声に目が合い吹き出して笑った







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