ウシロスガタ 【完】

そんな言葉を発した俺は、


おそる、おそる彼女の顔を見た


――ﾄﾞｷｯ！！――



「仕事か…」



そんな言葉を残し微笑んだ



店の中いる子と一見変わらないのに



何処か一人だけ違うｵｰﾗを放つ目の前の一人の女。


「そ、そう仕事だよ！」



確かに俺の鼓動は動き出していた



彼女の微笑みと共に――




ﾄﾞｸﾝ、ﾄﾞｸﾝと波を打った。





「おい！さと〜何楽しんでるんだよ〜！！」



「うるさいっすよ！邪魔しないで下さいよ！」



「てめぇ〜この野郎！！」


――ﾊﾞｺｯ！！――



「いってぇ〜！何するんすかぁ〜！！」




「ｷｬﾊﾊﾊﾊｯ！！」
「ｱﾊﾊﾊｯ！！」
「だっせぇ〜！！」





先輩の隣に居る優菜と冷夏の笑い声が響き渡る




そんな冷夏の笑ってる姿を確認した




自然と俺も心から笑っていたんだ




「いってぇ〜！ﾏﾁﾞ…。」




「ｱﾊﾊﾊｯ！大丈夫？」



先輩に殴られた肩を押さえると、俺の肩に自然と彼女の手が触れた



「だ…大丈夫っ！こう見えても俺鍛えてるから！！」



そう言うと彼女の手が俺の肩から離れた



彼女に触れられた俺の肩はしばらく熱が冷めなかった



「ねぇ…冷夏は本名なんていうの？」



「本名も冷夏だよ♪♪」



「また、また見え見えの嘘なんて付いちゃって〜」



「本当だよ？」




そう……



おかしいんだ



冷夏の言葉一つ一つを嘘だと思えない