ウシロスガタ 【完】
「………冷夏」
雨の音に消されそうになりながらも、俺の口から出た言葉はそれだけで……
もう他に言葉が見つからなかった。
「幻覚か?とうとう俺、いっちゃったか」
そんな風に話す俺を冷夏はただ見つめていた。
「冷夏だよな?なんでここにいるの?」
冷え切った冷夏の体が俺を包み、
俺の背中で冷夏も泣き崩れていた。
「翔クン、ごめんね……」
その言葉が何を意味するのか分からず、俺は言葉を返す勇気すらなく
その場で平然を装う事が精いっぱいで、他に何もする事ができなかった。
「翔クン、冷夏ね……」
暫く経って話し始めた冷夏に、俺は振り返り笑顔を見せていたつもりだった。
「冷夏……、俺は冷夏を愛してる」
この悲しすぎる恋愛を、
少しだけでいいから続けさせて下さい……
そう心で願い続けていた。
雨の音に消されそうになりながらも、俺の口から出た言葉はそれだけで……
もう他に言葉が見つからなかった。
「幻覚か?とうとう俺、いっちゃったか」
そんな風に話す俺を冷夏はただ見つめていた。
「冷夏だよな?なんでここにいるの?」
冷え切った冷夏の体が俺を包み、
俺の背中で冷夏も泣き崩れていた。
「翔クン、ごめんね……」
その言葉が何を意味するのか分からず、俺は言葉を返す勇気すらなく
その場で平然を装う事が精いっぱいで、他に何もする事ができなかった。
「翔クン、冷夏ね……」
暫く経って話し始めた冷夏に、俺は振り返り笑顔を見せていたつもりだった。
「冷夏……、俺は冷夏を愛してる」
この悲しすぎる恋愛を、
少しだけでいいから続けさせて下さい……
そう心で願い続けていた。