ウシロスガタ 【完】
「冷夏は汚れてる……」



泣きながら発した言葉は、


あまりにも悲しく……



これから冷夏が言う言葉を聞く勇気が俺にはあるのか……



そんな風に冷静な自分がいた。



ただ、俺の胸の中で泣き続ける冷夏の頭を必死に撫で続けて



少しづつ明るくなって来ている景色を眺めていた。




「翔クンに抱かれる事なんて出来ないんだよ……」




その言葉が何を意味するのか、



俺はもう考えたくなかった。




「冷夏……俺は……」



「だからね、もう……」



「冷夏を愛してる……」




唇が震えているのが分かった



心が震えているのが分かった



そんな震えてる体で、力いっぱい冷夏を抱き締め



俺は涙が零れ落ちないように、上を見上げて涙を流した。
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