ウシロスガタ 【完】
俺はその日、一睡も出来なかったのは言うまでもなく


携帯電話に入った、冷夏のメモリーと……



一件だけ入って来た冷夏からのメールをひたすら眺めていた。




「はぁ……」




出るのはため息だけで、
俺は結局眠る事が出来ずに



パチンコ屋の開店時間を待ち
行きたくもないパチンコへ足を運んだ





何かに集中していないと
冷夏が頭から消えなくて




無理矢理にでも何かに集中していたかった。



「くっそっ!でねぇ~!」


俺はスロットの台を殴り
立てかけてある携帯に目を移した




「寝てんのかな……」




俺の中でモヤモヤした気持ちが結局、何も集中させてくれなかった





――ブブブーブブブー――



“んっ……?”




俺の携帯のランプがメールだと知らせたと同時に急いで
メールを開いた




“―冷夏―”



「おっ……!!」




《おはよ~♪ってまだ寝てるねっ!》




その冷夏からのメールが
俺をニヤつかせた




“待て、待て…今すぐ返信したらいかにも待ってたみたいに思われる”




俺の中の捻くれた性格が
メールの返信を躊躇させてた







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