ウシロスガタ 【完】
――ブブブ-ブブブー♪――


「はやっ!」



携帯がメールを受信しただけで冷夏だと思い、
急いでメールを開いた




「はっ?」




《ばぁ~か!お前が待ってた相手じゃなくてわりぃ~な(笑)》




「てめぇ~!マヂうぜーから!!」




後ろを振り向き怒鳴ると
中西は腹を抱えて笑い転がっていた



「マヂうぜぇ~」




「アハハハッ♪マヂうける!
さとの反応……!!」




「はぁ~うるせ~って!」



中西に騙された俺は、そのまま立ち上がり外へ出た




「待てって!アハハハッ!さと怒んなって!!」




「はぁ……」




俺はパチン屋の前にしゃがみ携帯を開いた




「入ってこねぇ~の……」



中西が俺を覗き込む中、
俺は中西を見てまたため息をついた。



「なんだってんだよ!どうして朝っぱらから、そんな顔してんの?」



「なんでかな……」




「お前さ、もしかして…、好きな………」
「おっ!来た!来たっ!」



《もしかして寝てないの?寝られなかったの?》




《なんかな…俺、結構不眠症で悩んでたりしてね》



確かに俺は、仕事を辞めてから不眠症に悩まされていた。




でも明らかに今回は違った



冷夏を思ってたなんて
言える訳がない。




《大丈夫?でも、不眠症の辛さ冷夏も分かるよ…》




《冷夏もなの?大丈夫なのかよ……》





《全然~大丈夫!さとクンは少しでも体休めな?》




《ありがとな……》




冷夏とのメールのやり取りの
横で中西が勝ち誇った顔をしていた





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