ウシロスガタ 【完】
俺はニヤついてた顔を、
一生懸命元に戻した



「なんだよ!」



「…ったくよ~!俺に隠そうだなんて無駄に決まってんだろ?」



「うるせーって……」




「でもよ?お前が好きになった女ってどんな子よ?
よっぽど惚れた?人を好きになる事すらしなかったのに……」




「…………な」




「もしかして…昨日、先輩に連れて行かれたキャバクラの女の子だったり~?
……な訳ねぇ~か!」




俺はため息をついて中西を睨んだ




「マヂ?図星か?」




「まぁな………」




「……飲み屋の女かよ」




そう中西も呟きながら
ため息をついた





そう――


中西は俺の大事な信用出来る友達。




お互いの性格なんて全てをお見通しで、




そして俺が恋愛をしなくなった理由もよく知っていた



コイツにだけは本当助けられ



コイツの言う事は悔しい位に
正しくて、よく当たる





“飲み屋の女かよ”




その言葉で俺達の間には
長い沈黙が走った




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