ウシロスガタ 【完】
「いってぇ……」


体中に痛みを感じ、目を開けた。


“寝ちまったんだ”


変な体勢で寝ていたのだろう。体が重くて首を回しながら外に目を移した。


外の明かりが少なくとも夜ではない事を知らせていて、俺はダッシュボードに手をのばし携帯を掴んだ。



「もう昼かよ……」


そう携帯に向かい話しかけ、待受画面を見た瞬間に嫌な文字が目に入り雑に携帯を閉じた。



――9.17(sun)――



日曜日だけは好きになれない。



冷夏の傍には旦那がずっといる



店も休みだから、冷夏の姿を一目見る事さえも出来ないから。



今…冷夏は旦那といるんだ。



そう考えていると言葉にさえ出来ない気持ちになり、俺は頭をグシャグシャにし、またシートに倒れ込んだ。
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