W赤面症
そなたくん

ただ会いに行くだけなのに、しかも私のことじゃないのにドキドキする。

だって、実は私の元好きな人だったから。

片思い、だったの。

今は優等生で好青年のはるとくんが好きだけど。

「そなたくんー」

「うぉ、マジで来たのかよ。」

「え?」

「あ、そういう意味で言ったんじゃないけど。オレが呼んだ理由は、LINEでだけ仲良くするのって、よくないじゃん?オレさぁ、フレンドリーボーイだからそういうの嫌いなんだ。」

「うん。」

「だから、リアで仲良くしようぜーみたいな?ついでに隣の子も。」

「あ、こっちはらんこちゃん。」

「あ、あはは・・・」

私に話をむけないで!

顔が赤くなる。

赤面症ってゆーやつらしい。

「らんこ?へー。変わった名前。オレのこと、知ってる?・・・なわけないか。同じクラスになったことねぇもんな。」

「あぁ、うん・・・。」

「何コイツ、おとなしいね~。」

「うん。人見知りなんだよ、らんこちゃんは。」

コレでもがんばってるんですけど!?

「ってわけで、今から生徒指導で掃除だから、またね。」

「ばいばいー。」

「らんこちゃんも、ばいばいねっ!」

うえっ。男子にちゃん付けされたこと、一回もないから慣れてない。

それでまた赤くなった。

さっさと戻ろう、くれはちゃん。

そして、早く掃除に行きなさい、そなたくん。



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