冷たい世界の温かい者達




少し空が赤みがかってきて、動物達は散り散りに帰って行った。




「動物さん達すっごい可愛かったよ!」



衣緒は、あれだけの野生動物と戯れられたことがとんでもなく嬉しかったらしい。




『それは良かった』



微笑んだ由薇はさっきから、ずっと周りをチラチラと見ていた。



「……何かあるのか?」



隣に並んで問うと、由薇は眉を下げながら頬を掻いた。



『いや……居ないな、と思って』


「……?」



『……いや、いい。


気にするな』





無理矢理笑った由薇は、そそくさと1人で先を歩いて行った。



「……様子がおかしいな」



影助が後ろから声をかけてきて、それに小さく頷く。



「何か探してるみたいだ」





「……? こんな森の中でか?」




「わかんね」




前髪を掻き上げると、影助も不思議そうに首を傾げた。




暫く考えていると、由薇が少し先で蹲っているのが見えた。




「由薇…っ?!」



急いで駆け寄ると、由薇は腕の関節らへんを押さえていた。




『……大丈夫、ただの蛇だ』




2つ、小さな穴が見えてそこは少し腫れていた。



由薇の腕を持ち上げて口をその場に押し当てる。






毒を抜けばいいんだろ?




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