冷たい世界の温かい者達
「僕の家ね、結構人気の服のブランド経営してるんだよ。
仕事で忙しいし、遊んだ覚えもあまり無いんだ。
でも、親は僕をすごく可愛がってくれたよ。
社員は大体女の人で、結構家に来たりしてたんだけど……
でも、環境はそう変わらなかった。
人が居ても、お父さんとお母さんには到底なれないんだよ。
だけど、本当に多くの女の人は僕の家に来てたよ。
……そんないつも通りの日、今まであまり見たことのない女の人が僕を…
犯したんだ。
中2の頃で、その頃には少し騒がれる顔してたから。
だけど、人間あそこまで醜くなれるんだ、と心底がっかりした。
親がその日は偶々帰って来てさ、その社員はすぐにクビ。
それ以前に、少しクスリが入ってたらしいからサツ行きだったけど。
……僕は怖いよ。
いまだに、あの手の這う感触が忘れられない。
背筋を……凍らせるんだ」
ぎゅっ、と由薇ちんの手を握る力を強くした。
由薇ちんは何も言わず、黙って前を見据えていた。