冷たい世界の温かい者達
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「今日は頗る機嫌が悪いなぁ」
成一が言ったとおり、今日の由薇は不機嫌を通り越して怒っている気もするが。
『……別に』
むすっとしたまま何もしない由薇には、今日は女らしい浴衣が待っているから。
機嫌は直らなくても衣緒は無理矢理着せるだろう。
「おっ待たせ~」
呑気な声を響かせた衣緒の手元には、細長い紙の箱があった。
「……それか?」
成一が煙草を吸いながらそれを指差して聞くと、煙草やめてよ、なんて言う。
……由薇が帰った後、いつも吸ってる奴が言うんじゃねぇよ。
内心呆れると、由薇は不機嫌そうに目を細めて眉を寄せた。