冷たい世界の温かい者達
ガチャ、と扉が開いて目を向けると、また驚かされた。
『……何だ』
不機嫌そうに言う由薇が、浴衣が似合いすぎていて。
「由薇ちん可愛い!」
ニコニコと満足そうに笑っている衣緒に、由薇は何も言える訳もなくさっと目を逸らした。
「浴衣は髪上げねぇとなぁ~」
成一が素早く由薇の後ろに回り、俺の隣に座らせる。
まぁ、こいつも髪の毛いじんのは上手いし何も言わなくていいか。
されるがままの由薇は何故か痩けて見えた。
いや、痩せてるけど。 だけど、何か疲れて痩せた人みたいになってる。
何も言わねぇけど。
髪の毛をサイドで括りあげ、衣緒から預かった髪飾りをさして、スプレーふって完成らしい。
首元が空いてるのが落ち着かないのか、手で触りながら由薇は頬を染めた。
まぁ、恥ずかしいだろうけど。
……可愛い。
素直に、本当に可愛い。
可愛い、というより綺麗の方があってる。
歩きにくそうな下駄を履いた由薇に合わせて、少しゆっくり倉庫の階段を下りた。