冷たい世界の温かい者達




「……何だこのゴミの山」




自分でやっておきながら、少し後悔した。





射的でとったものは全てゴミと言っても過言ではない。



衣緒と成一も頬が引き攣って見える。





『……すごい量だな』




まぁ、菓子は面子の奴等にやればいい話だが、シャボン玉やらお手玉やらおはじきやら……子供の遊び道具はどうするか。





小さく溜息を吐くと、由薇は我関せずといった顔をしていたが、シャボン玉を手にとった。





それを持って、近くにある金魚すくいの屋台に居る子供の近くに寄っていった。





……何をする気だ?




思わず首を傾げて、その様子を伺う。





すると、由薇はその子供の隣にしゃがんで目線を合わせた。





『これ、使う?』



「え? あ! シャボン玉!」




驚いた様に顔を上げた子供に、由薇は笑いながらシャボン玉を手渡す。



『あげる。』




「え! いいの、お姉ちゃん」



『うん、私達は使わないから、あげる』




「ありがとう!」




子供はニカッと笑ってシャボン玉を、小さな手で受け取った。





「……」



それを見てふと、柚紀を思い出した。





……あいつにやれば、喜んだだろうか。






ミニカー。 クマのぬいぐるみ。 水鉄砲。





じっと見つめているうちに、いつの間にか隣に由薇が来ていた。




「……子供に全部やるか?」




『うん、配ろうか』





由薇も、同じことを思ったのだろうか。






髪を上げているせいでいつもより艶めかしく見える目元が、少し濡れているように見えた。






……元気で居てくれれば、それでいい。







だけど、








会えるなら、また会ってやってほしい。















真っ暗な空を見上げて、由薇のことしか考えていない自分を嘲笑った。





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