冷たい世界の温かい者達
「んで、由薇は男の子を助けたんだっけ?」
警官の格好をしたままの裕樹さんを見ると、仕事から抜けてきたらしい。
由咲さんと亜騎さんの着崩したスーツも、仕事用の物だろう。
「チッ、ガキじゃ殺すにも殺せねぇじゃねぇか」
「サラッと物騒なこと言わないでよ」
裕樹さんは溜息を吐いて携帯を耳に当てた。
「秀一さんは? 来んの?」
「今、会合だ。 電話してねぇ」
「あぁ、秀一さん来たら大変そうだし、やめとこうか」
裕樹さんはそう言いながら、「もしもし」と電話の向こうに声をかけた。