冷たい世界の温かい者達





「お前は俺に何回縫わせる気だ?」



『げ……善…』



「何だ、“げ”って」




意地の悪そうな笑みを浮かべる姿が、誰かに似ているように思えて…




誰だ……?



首を傾げていると、俺の疑問に気づいたのか、裕樹さんがニコリと笑った。




「この人は真田 善-Sanada Zen-さん。






亜騎のお兄さんだよ」










……あぁ。 納得。





どこか変態っぽい雰囲気が似ているんだ。




「亜騎の尻拭いを今でもしてやってる優しい優しいお兄さんだよ~」





「うるせぇよ。



てかしてもらった覚えもねぇ」




心底鬱陶しそうに呟く亜騎さんに、善さんは笑った。




「何がともあれ、由薇は少なくとも2週間は入院。」



『夏休み終わってるじゃん』




確かに、今から2週間となると学校の始業式から4日後だ。




「そこら辺は志織達に頼めよ。



俺は医者として患者に伝えてるだけよ~」




『うざ』



吐き捨てた由薇を運ぶために、ひょいっと持ち上げる。




……うん、何か…ウサギ持ってる感じ。






『下ろせッ…』



珍しく顔を赤らめた由薇が面白くてそのまま病室まで連れて行った。




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