冷たい世界の温かい者達




「うわぁ~イケメン揃い~」





いきなり訪れた客に、俺達は見向きもせずベラベラと喋っていた。



いや、構う必要もねぇし。






「朔さーん、指名~」





……ウソだろ。





「お、いきなし来たか」




俺の肩を叩いた成一はニヤリと笑った。






……本当に、こいつは他人の不幸を喜んで観戦するな。



溜息を吐きながらも、しょうがないことで……




おとなしくイスに座っているだけの人形と化した。




その後は次々に成一やら千尋やら、全員指名された。





だけど、由薇は顔を隠して写真を貼ったからか、指名は無かった。






「きゃあ~この子可愛い~!」




「あ、ホント~! 指名しちゃお!」






「由薇ですか?




由薇~指名だよー」






『……やだ』




「「可愛い~!」」






強烈な女2人が、由薇を指名していた。





まぁ、可愛いのがツボに入ったのか。






俺達には触れてはならない、という規定が作られた上で経営しているので、触ってもいいかと聞かれても断れば何も無い。





「抵抗するのが可愛い!」



「やーん、猫耳付けたい~」





猫耳……






成一がキラキラとした目で由薇を見ているように感じるのは、気のせいか?




はぁ、と吐いた溜息は五月蝿い教室には何も響かなかった。









『……いらっしゃいませ』




「声変わりもまだなのね~」



「ねぇ、触ってもいい?」



「かぁわいい~」





『ぇ、あぁ……』



「ありがとー」





髪の毛やら耳やらほっぺたやら。



触られまくってる由薇の姿が座っている俺からも見えて、思わず笑ってしまった。




『ぉ、お飲物は…』



「じゃぁ~、ドンペリ開けてあげる~!」





……はは。





こいつ等本物のホストクラブ行ったら金貢がされるタイプだ。




< 218 / 372 >

この作品をシェア

pagetop