冷たい世界の温かい者達




「今日、本家に誘おうと思ってたんだけど……どうする?」




裕樹さんが切り出した話に、由薇は嫌そうな顔をする。



『私は行かない』



「お前が来なかったらこいつ等が来にけぇだろ」





由薇は苦笑を浮かべた由咲さんに眉を寄せて口角を下げた。



『……』



「あ、拗ねた」




はは、と笑う亜騎さんは明らかに面白がっていて、いつも会う度にこの人に弄られてる由薇が少しだけ哀れに思えた。





……できる限りの範囲では、これから助け舟を出してやるか。






密かに誓うと、千尋がパソコンを見ながら困った様に眉を下げた。






「すみません、行きたいのは山々なんですが……、グラスの打ち上げがあるので」




「あー、そうか。



そりゃあ学生だしなぁ。 子供だけではっちゃけてぇか」





納得したように笑う亜騎さんと、少し不満そうな由咲さん。





『……由咲、また今度皆で行くから』





拗ねた由咲さんを、拗ねていた由薇が宥める。




その様子を見て笑う高樹さんを裕樹さんが殴っていたのは……見なかったことにしよう。




色々、間違ってたんだよ、多分。 うん。










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