冷たい世界の温かい者達




「佐藤!」


「何ですか、社長」




智美さんの秘書の佐藤さんを大声で呼び出した智美さんは興奮した様子で由薇の肩を叩いた。




「この子! 今日この子使う!」



「は? 何言ってるんですか?」




一般人の顔なんて知れてると思っていたらしい佐藤さんは、由薇の顔を見て目を見開いた。



「……またそんなムチャぶりを…」



と言いながらも、じろじろと由薇を見渡してキラリと目を光らせた。



「……今回のテーマは天使と縛りつける悪魔でしたっけ?」




……どんなテーマだよ。





サディストすぎて笑うわ。




「……社長のお好きなようにどうぞ」




何故か妙に納得した様な顔をした佐藤さんは投げやりにそう言って智美さんに全てを託した。




「おいで、子猫ちゃん!」



『ぇ? こね……』




由薇の言葉を遮るようにして腕を掴み、攫った智美さん。



残された俺達は座らせれて、成一は佐藤さんに連れて行かれた。





「天使を縛りつける悪魔って……」




千尋の呟きに影助と衣緒も微妙な面持ちだった。







< 263 / 372 >

この作品をシェア

pagetop