冷たい世界の温かい者達
「さっすがー。 コーディネート完璧だね」
「ばーか、モデルがいいんだよ」
「黙らっしゃーい」
気の抜けた返しをしてくる衣緒はぐでーっとしながらあくびをしていた。
朔も興味なさそうにボーッとしてるし、千尋はもはやスマホ弄ってる。
影助は何もしてないが。
その手に持つ怪しげなカメラ、なんだ。
「何だそれ」
「智美さんに渡された」
影助自体も困ったように言って、俺は溜息を吐いた。
やめてほしい……
息子の友達に何さそうとしてんだよ。
「成一、」
突然声をかけてきた朔は俺を見て…いや、睨んで低い声を出した。
「間違っても由薇を襲うな」
「公衆の面前では襲わねぇよ~。
あー、でも裏ではわかんねぇなぁ~」
ニヤニヤと笑いながら言うと、わかりやすく眉間に皺を寄せて不機嫌そうに黙る朔。
「あんた達…由薇ちゃんを……」
声のした方を向くと、由薇をコーディネーターに任せてきたお袋が居た。
口元を押さえて何か哀れんでるような表情をするのはやめてほしい。
「いや、別に何もないよ、智美さん?!」
「血迷っても朔のには手出しません」
「……同じく」
「俺は喰うかも」
「殺す」
俺が言った瞬間に言う朔に苦笑が漏れた。
そんな時に、ヒールの響く音がした。