冷たい世界の温かい者達






「来たわね」



お袋の言った通りに、音のした方に目を向けると由薇が居た。



ただ、その赤みを帯びた黒髪は巻かれているし、唇はいつもピンク色なのが真っ赤。




いつもは施されていないメイクが元々綺麗な顔立ちを際立たせていた。




「由薇……?」



『何』



不貞腐れたように返事する由薇は、少し睨むように俺を見上げた。




「大変な変わりようだな」



下手したらこいつが悪魔じゃないか?




全てを魅了し、惑わす悪魔。





だけど、服はふわりとした白を基調とした服だった。




『……もぉやだ…』



「あら、子猫ちゃん。 飴ちゃんあげたでしょう?」




…餌付け。




哀れんだ表情をしたら、由薇は今にも泣きそうなほど目に涙を溜めて俯いた。




……っあー。




今日ばかりはやばい。



理性保てるかな? まぁ、保つけどね。





「さぁ、早速撮影始めるわよ!」



お袋は張り切ったように撮影室の全員に声を掛けた。





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