冷たい世界の温かい者達
「あのカッコそんな嫌かね?」
「由薇にとっては嫌なんじゃない?」
千尋の苦笑を含む言葉にそれもそうか、と納得して俺も楽屋に向かった。
「由薇~?」
『何』
楽屋を開けると、既に由薇は着替え終わっていた。
「ちぇー、着替え覗いてやろうと思ってたのに」
『コノヤロウ』
飛びかかってきそうな由薇を何とかあやして、由薇の手を引っ張った。
「ちょっと付き合ってよ」
『は? 何処にーーー』
俺の顔を見た由薇が、少し目を見開いて悲しそうに眉を下げたなんて、前を向いていた俺は気づかなかった。