冷たい世界の温かい者達
「……祭りの時のーー…」
そう、由薇が祭りの時に庇った子どもだった。
「……っ…」
『……こんにちは』
「……‼ こん、にちは…」
驚いたように顔を上げて目を見開くと、次の瞬間には目を伏せて罪悪感に顔を歪ませた。
『柚紀と仲良くしてくれてるの?』
「うん……」
『そう……。 ありがとう』
子どもの頭にそっと手を置いて撫でた由薇は予鈴の音に柚紀と子ども…確か樹とやらの背中を押した。
『行きな。 後で私達も行く』
「うん! また後でね」
柚紀に引っ張られるようにして樹と去って行った2人は妙な違和感があった。
『……懐かしい相手だな』
「もう半年くらいか……」
あれが夏だから、確かに半年経つことになる。
「行こうよ、とりあえず。
柚紀も待ってる」
千尋の言葉に頷いた由薇は素早く教室に向かった。