冷たい世界の温かい者達





ガラッと鍵がかかっていた割には案外簡単に開いたドアの向こうの景色に一瞬だけ動きを止めた。




「……お前本当に女か」





『私を誰だと思ってるの』




完璧に伸びた信太の上に乗る由薇。



まぁ、由薇は軽すぎて乗ってる心地はしないだろうけど。






少し話しているとすぐにパトカーの音が響いて、校庭に突っ込んで来て止まった。




「おいおい、誰がされたのかと思いきやお前かよ」



『悪かったなエロじじい』




「ん? その貧相な胸を俺に育ててほしいって?」





『死ねよお前』





うんざりしたように変態発言を浴びせられる由薇に少しだけ同情した。






遠くから裕樹さんが走ってきたと思うと、亜騎さんに寄って行って眉間にシワを寄せた。




「ダメだ、命令されたようだけど精神崩壊を起こして何も喋れない」




「チッ……役立たず」






亜騎さんは冷たい目をしながらそう吐き捨てた。




だけど、その言葉はどこか悲しみを含んでるように聞こえた。





「高樹と同じ学校みたいだったみたいで…



性格を聞いても間違ってもそんな気を起こす質じゃないらしい」






「面倒くせぇ……お前等、何か見解はあるのか?」




本当に面倒くさそうに呟いた亜騎さんに由薇は眉を寄せた。





『……まぁ、ある程度』




「じゃぁ、そいつとっとと罠にかけてでも捕まえろ。




そんで俺等に引き渡せ」




『わかってる』





亜騎さんと裕樹さんは忙しそうに信太を連れて帰って行った。























さぁ、幕開けは酷く遅く感じるね。







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