冷たい世界の温かい者達





ガチャ



「着いたぞ」




シンとした廊下に、小さく電話の通話音が響く。





「ぁ、由薇さ……」



『……名前、言いましたっけ?』




「いや……周りの人に呼ばれてたから」





目を泳がせてるのがわかるくらいに声は震えていて、妙な光景が広がっているのだと容易に理解した。




『サッサと終わらせましょうか』




「あ……ぁあ…ぁ……ぁ……ぁ……あ」






突然壊れたみたいな震えた声が聞こえたかと思うと、ガターンと音がした。




『やめろっ‼』



「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……」





チッ、やっぱりそうくるか……




俺達はその通話を最後に走り出した。





場所は学習室B。 3階の1番東側だ。





あの女……殺す。







「もしもし亜騎さん? レイプされてる子いるから、雛川小学校に警察寄越してくれますか?」





千尋はちゃっかり亜騎さんと連絡先を交換していたらしく、淡々と助けた次のことを見越して応援を呼んだ。





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