冷たい世界の温かい者達
葬式は盛大ではなかった。
たくさんの人こそ来ていたが、比較的こじんまりとして済ませた。
秀一さんは自分の死は親しい人だけでいいと前から由咲さんに言っていたらしい。
俺はずっと由薇の傍についていた。
由薇は悲しそうで今にも泣きそうな顔をしていたのに、絶対に泣かなかった。
組員のすすり泣く声だけは絶えなかった。
火葬場では別れのスイッチを由薇と由咲さんが押して、遺骨は全員で移した。
「今から本家に戻る。
重大な発表もある」
目は確実に擦ったのだろう、由咲さんはそう言って黒塗りの車に姿を投じた。
由薇と俺もその車に乗り、千尋達は別で送迎された。