オジサンが欲しい
矢継ぎ早に、白く柔らかな指の腹が、タンクトップの中へと滑り込んで腹を撫でる。
ひやりとかすかに冷たい手が、無駄のない男の身体を撫で回した。
「なっ……なにをっ……」
寺尾は狼狽して身をよじる。
足は自由が訊くが、縄が短いため、足を伸ばして立ち上がることができない。
膝で立つのが精一杯だった。
少女は寺尾の素肌に触れながら、恍惚な貌を見せる。
「パッとみて貧相な格好なのに、まだ人生に絶望していない眼……。
そのギャップある姿は実に芸術的でもあり、儚く、純粋に美しいんですよ。
そして生きることに頑張るあなたを、私は」
少女は桃色の唇を舐めずり、再度、寺尾の顎を持ち上げる。
「そんな芸術品のあなたを、ばらばらに壊して、私物にしてしまいたい」