ノスタルジア~喫茶店を訪ねて~

④手紙を見つけて

 電車が、駅のホームに着いた。アナウンサーの声を後ろに聞きながら、降りた。改札を出て、出口に向かう。夜も更けて、人も少ない。
 出口を出て、なじみの道に向かう。
足は、まるで誘導されているように、違う道に進んでいく。暗い夜道は、不気味だ。街灯が、所々点滅していた。
 急に、光が消えると、そこは完全に闇に包まれた。虫も、人の声もしない。都会にいるはずなのに、田舎の山道に迷い込んでいる気がした。
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