貴方からの卒業証書。
おばさんが用意してくれたお昼はパスタだった。食事を済ませ、二階にある貴大の部屋に。

「貴大ー。テスト、どうだった?」
「いつも通りだよ。日本史はどうだったんだ?」
「多分、完璧」
「そっか」

暫くして陽菜が来た。

「優那ー。どうだったって訊くまでもないか」
「そうそう。どうせ、いつも通り話して終わり。歴史のね」
「はい……。すみません」

陽輝との話は歴史の話ばかり。気が合いそうなことは分かるけど、陽輝の想いは何一つわからないまま。

「竹本さんは優那のこと、生徒の一人でしかないのかな?」
「どうだろうね。歴史オタクは素だろうけど、あの話し方は絶対に裏がある」

図書室で見せる優しい声、笑顔。あれが本当の陽輝なのか二人は疑っている。

「竹本さんは確か、隣の駅の近くに住んでるんだっけ?」
「そう聞いた。……明日は休みか」

二人が考えてることに優那は気づいた。そして……。

「よし。休日の竹本さんを観察しよう」と陽菜が言った。
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