幸せの掴み方
そして、女性陣の自己紹介が始まると、最後に柚葉が

「総務部の、笠原 柚葉です。今年入社したばかりの新人です。
 よろしくお願いします。」

そう言い終えると、柚葉は、ホッとして、その後、壁の花のように
ひたすら、料理を食べたり、周りの様子を見ているだけだった。

「今日は、人数合わせだったの?」

相楽 圭祐が聞いて来た。

「・・は・・はい・・・急に言われてしまって・・・・」

「ハハハッ、そんな感じだね! こういう場所は、慣れてないの?」

「はい・・・あんまりお酒も飲めないですし、それに・・・・」

「ん?それに、何?」

「いえ・・・・なんでもないです。それより、向こうの席で、
 呼ばれてますよ!?」

「あっ・・・あーー、良いんだよ・・・・しつこくて・・・・」

柚葉は、圭祐に話しかけられて、ドキドキしながら答えていた。

「そうなんですか・・・・大変ですね・・・・」

「えっ、何が、大変なの?」

「へっ・・・・あっ、・・・否・・・きっとモテるんだろうなって!?」

「うん、まぁー、女に不自由したことはないね!」

そうはっきり言い切った圭祐に、柚葉は呆気にとられ、

「そうで・・・すよね・・・・」

そう答えながらも、かっこいいけど、自分とは住む世界が違うと
柚葉の心の中で、圭祐をシャットダウンした。
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