幸せの掴み方
その後、圭祐は、柚葉の隣から動くことをしなかったため、柚葉は、
先輩たちの視線が怖くなり、お手洗いへ行くふりをして、席を立つと
こっそり優香に、先に帰ることをメールで告げ、柚葉は、居酒屋を出た。

柚葉は、会社からマンションまでは、普段は電車で3つ先の駅で降り、
駅から10分程の場所にマンションはあった。

店を出て、柚葉は、駅に向かい歩き出すと、後ろから腕を引っ張られた。

「きゃっ・・・・」

振り返ると、そこには圭祐が立っていた。

「帰るの?」

「あっ・・・はい・・・・すみませんお先に失礼します・・」

そう言い、柚葉は、圭祐から腕を離してもらい、踵を返すと

「まだ時間、早いし、もう一軒付き合ってよ・・・・」

「へぇっ・・・・私ですか?・・・」

「うん、柚葉ちゃんに。ダメかな?」

そう圭祐は、子犬のようなしぐさで、柚葉を見つめると、柚葉は
真っ赤になりながら

「わ・・解りました・・・・少しだけ、お付き合いします・・・」

そう言い終わると、圭祐は、柚葉の腕を引っ張って、行きつけのバーへ
連れて行った。
< 11 / 310 >

この作品をシェア

pagetop