幸せの掴み方
「とにかく、柚は、旦那ときちんと話し合え。
 そして誤解も解け・・・・柚が言えないなら、俺が言っても良いが
 まずは、柚がしっかり旦那と向き合わないとな・・・・」

「うん、そうする。
 今までが何もなさ過ぎたんだよね・・・・
 私が、圭祐ときちんと向き合っていれば、こんな事にならなかったと
 思うし・・・・・
 子供達の為にも、しっかりしなくちゃね!!」

柚葉は、湊と話をすることで、段々気持ちも落ち着き、これからの自分や
子供達の事を考えて、自分を少しずつでも変えていかなくてはと、考えていた。


その日、湊は、面会時間が終わる頃、帰って行き、柚葉は、一人、病室で
これからの事を考えながら眠りについた。

翌日、診察の結果、大事には至らなかったため、柚葉は退院し、
その足で、美代子の会社に顔を出すと、菜々美は、会社内託児所に居た。

「菜々美!!」

「あっ、ママ!! 大丈夫?」

「うん、心配かけてごめんね! でももう大丈夫よ!!」

柚葉は、保育士に挨拶を済ませ、その足で、社長室へと足を運び

「母さん、ごめんね! 菜々美の事、ありがとう!!」

「大丈夫なの?入院するなんて・・・もう、吃驚したわよ!!
 で、何があったの?」

「うん・・・・もうちょっと、待って・・・・必ず、話すから・・・」

「解ったわ・・・・・でも、いつでも頼ってきなさいよ!
 今更と思うかも知れないけど、私は、あなたを置いてきたことは
 ものすごく後悔していたの・・・・
 だから、せめて、これからはあなたに母親らしい事、一つでも
 したいの・・・・・解って・・・・」

「母さん・・・・・ありがとう」

柚葉は、今になって、母の気持ちを垣間見ることが出来、少しずつでも
自分は、変わらないとならないと強く感じた。
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